バーゼルワールド2021年の開催を主催者断念、100年以上の歴史に幕

(スイス)

ジュネーブ発

2020年05月12日

世界最大の宝飾・時計展示会バーゼルワールドの主催団体MCHは5月7日、2021年1月28日から2月2日に開催の予定だったバーゼルワールドの中止と支払い済みの2020年の出展費用などの扱いについて関係者間で合意したことを発表した。2020年のバーゼルワールドは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初の日程で開催できず、上記日程に延期されていた(2020年3月3日記事参照)。

5月7日付「ル・トン」紙の報道によれば、同日、MCHは2020年の出展費用を払い込んでいたテナントに対して3分の2を払い戻すことを通知する文書を送付した。これは、2020年の会期を延期した際にMCHが提示していた、85%分を2021年展示に繰り越すなどの条件から大きく変更され、テナント側に大幅に譲歩した内容とのことだ。

バーゼルワールドは、新型コロナの影響で会期を2020年5月から2021年1月に延期したが、運営方針などをめぐる価値観の不一致を理由として、2020年4月にロレックス、パテック・フィリップ、LVMHなどの大手ブランドが撤退を決めたことから、存続が危ぶまれていた(2020年4月21日記事参照)。MCHは、2021年以降、新たなフォーマット(名称、開催場所)での展示会を検討していくことにしているが、バーゼルワールドは100年以上の歴史に幕を閉じた。

(和田恭、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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