大気汚染対策、3大重点地域で目標達成

(中国)

上海発

2020年05月19日

中国生態環境部が4月22日に発表した、重点地域における2019-2020年秋冬季大気改善目標の達成状況によると、3大重点地域となる京津冀およびその周辺(北京市、天津市および河北省、山西省、河南省、山東省の一部)、長江デルタ(上海市、江蘇省、浙江省、安徽省)、汾渭平原(山西省、河南省、陝西省の一部)がそれぞれ目標を達成した。

上記3大重点地域は、「青空を守る闘い3年行動計画」(2018年7月発表)の中で重点地域として指定されており、特に大気汚染が深刻となる秋冬季(10月~翌年3月)に積極的な大気汚染対策を取ることが要求されている。重点地域ごとに行動方案を策定し、PM2.5平均濃度および重度汚染日数(注)の減少目標を設定している。

今回の発表によれば、京津冀およびその周辺では、PM2.5平均濃度は目標(前年同期比4%減)に対して13.6%減、重度汚染日数は目標(6%減)に対して36.2%減となった。長江デルタでは、PM2.5平均濃度は目標(2%減)に対して16.4%減、重度汚染日数は目標(2%減)に対して58%減少した。汾渭平原では、PM2.5平均濃度は目標(3%減)に対して11.4%減、重度汚染日数は目標(3%減)に対して34.8%減となった。

3大重点地域はいずれも目標を大幅に上回って達成したが、今回は対象期間に新型コロナウイルス感染拡大によって経済活動制限などがあり、超過達成となった可能性も考えられる。経済活動再開により大気汚染が悪化すれば、環境規制の執行が強化される可能性もある。

なお、2018年10月~2019年3月にも同様の大気環境改善目標が課せられたが、目標を達成できたのは長江デルタのみで、京津冀およびその周辺、汾渭平原については目標が達成できなかった(添付資料表参照)。

(注)大気質指数(Air Quality Index)による区分で、指数が201以上の重度汚染・厳重汚染状態の日数。

(高橋大輔)

(中国)

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