米CDC、オフィスワーク、飲食業などの事業再開に向けたチェックリストを発表

(米国)

ニューヨーク発

2020年05月18日

米疾病予防管理センター(CDC)は5月14日、新型コロナウイルス感染が続く中で、オフィスワークなどの企業や飲食店用に、事業再開を決定するに当たり、準備が整っているかを確認するためのチェックリスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(注1)。

3段階で構成されたチェックリストによると、まず、再開を検討すべきかの最初のチェック項目として、事業再開が州政府と地方自治体の指示と一致しているか、重症化リスクの高い従業員を感染から守る用意が十分にできているか、雇用主に確認を求めている。

上記2つの項目を満たしている場合、第2段階として、健康と安全を維持するための望ましい措置が採られているかを確認することが求められる。求められる措置の内容はオフィスワークなどの企業、飲食店共に以下のとおり。

  • 手洗い、従業員のマスク着用など、衛生管理を推進する
  • 清掃、消毒、そして換気を徹底する(飲食店は衛生管理も徹底する)
  • 社会的距離の徹底策を整える
  • 通勤方法を変更し、可能であれば遠方在住の従業員はテレワークをさせる(オフィスワーク企業のみ)
  • 全従業員に対して健康と安全を維持するための習慣をつけさせるよう訓練する

社会的距離を図る方法として、オフィスでは、従業員の間に仕切りを置く、レイアウトを変更するなどして各従業員の間隔を広げる、テレワークを推奨するなどが挙げられている。飲食店では、ドライブスルーやデリバリー、カーブサイド・ピックアップ(注2)で商品受け渡しをする、テーブルや座席の間隔を広げるなどが例として挙げられている。

第2段階の項目を全て満たす場合、第3段階として、以下の6つの方法でウイルス感染を継続的に監視、対処できているかを確認すべきとしている。

  • 従業員の出勤時に感染症状や兆候の有無を確認する手段を設け、実行する
  • 体調が悪い従業員には家で休むよう勧める
  • 従業員の体調が悪くなった場合の対処法を計画する
  • 日常的に感染者状況を確認し、従業員や地元自治体とコミュニケーションを図る
  • 従業員の欠勤状況を管理し、柔軟な休暇制度を設ける
  • 従業員に感染者が出た場合や職場近辺で感染者が増加した際に、地元保健局に相談する準備ができている

CDCは上記の第3段階までの確認事項を全て満たしていれば事業再開をしてもよいが、引き続き状況を観察するよう勧めている。CDCはこのほか、交通機関用PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)託児所用PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)教育機関用PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)青少年プログラムと合宿用PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のチェックリストも発表している。事業再開後は、米労働安全衛生庁(OSHA)のウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます内「Returning to Work」のタブ中の各産業別ガイドラインが参考になる。

(注1)チェックリストは、オフィスなど事業所向けPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)飲食店向けPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に分かれているが、内容は一部を除いてほぼ同様となっている。

(注2)消費者がオンラインで注文した商品を、実店舗の駐車場で車から降りることなく受け取れるサービス。

(吉田奈津絵)

(米国)

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