マドリード、バルセロナの2大都市もついに緩和入り

(スペイン)

マドリード発

2020年05月25日

スペイン政府は5月22日、活動制限緩和計画(2020年5月1日記事参照)に基づく各地域のフェーズ移行を発表した。フェーズ0のまま足踏みを続けたマドリード県とバルセロナ大都市圏、北部内陸都市が5月25日からフェーズ1に移行し、ついに全地域が緩和入りした。また、バスク州やガリシア州を含む多くの地域がフェーズ2に進んだ。

フェーズ1では、飲食店のテラス営業や、400平方メートル以下の小規模店舗の営業、また大型店舗も400平方メートル以下に区切った区画での営業が収容制限付きで再開できる。このうち、店舗営業の制限緩和については、フェーズ0でも例外的に認められていたが、今週から本格的な営業再開が期待される。10人以下の散歩や集まりも解禁され、マドリード市内のバルのテラス席が1週間先まで予約で一杯になるなど、緩和ムードの高まりが各紙で報じられた。

フェーズ2では、ショッピングセンターなど大型店舗の営業も収容制限付きで可能となり、百貨店大手エル・コルテ・イングレスが一時帰休(レイオフ)中の従業員2万6,000人の半数を復職させると報じられるなど、小売業の活動も本格回復を始めた。

7月には周辺国からの観光客受け入れ再開か

ペドロ・サンチェス首相は5月23日のテレビ会見で、7月までには全ての地域がフェーズ3に移行し、外国からの観光客の受け入れが再開できると述べた。EU諸国との往来禁止の解除に関し具体的な合意はまだないが、イタリアやギリシャなどの観光産業の競合国が相次いで6~7月のインバウンド観光解禁を表明する中、スペインも解禁時期発表の必要性を迫られたとみられる。

なお、5月23日付保健省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、15日に開始したシェンゲン加盟国からの空路・海路アクセス禁止(2020年5月13日記事参照)が、警戒事態解除(現時点では6月7日午前0時まで)まで延長された。また同日から実施されている入国者全員への自主隔離の義務付けについては、必需品の輸送・物流やライフライン、その他必須部門のサービスなどに従事する場合の移動についても、外出が認められるようになった。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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