全国商業観光連盟、コロナ禍で220万人の雇用喪失を推計

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年05月08日

ブラジル全国商業観光連盟(CNC)は4月30日、新型コロナウイルス感染拡大による検疫措置(感染拡大防止措置)が導入された始めた3月第3週から5週間(3月15日~4月18日)の売上高が、同措置導入前の5週間と比較して39%減少したと発表した。検疫措置(感染拡大防止措置)は、食料やライフラインの供給、銀行、医療など生活に必要不可欠な商業・サービス以外の全ての施設を強制的に閉鎖し、外出自粛を要請するもので、各自治体が導入を決める。サンパウロ州では3月24日から導入されている。

CNCは、機会損失額は合計864億レアル(約1兆7,280億円、1レアル=約20円)との試算を発表した。CNCはまた、売上高の減少と商業活動の大幅な低迷により、業界の正規雇用数の28%に相当する最大220万人の雇用が、最大で3カ月間喪失すると推計している。

CNCの調査は、ブラジル地理統計院(IBGE)の月次・年次商業調査、雇用・失業者一般登録(CAGAD)の統計に加えて、商業施設付近の消費者位置情報データを活用して報告書を取りまとめている。

調査結果を分野別でみると、機会損失額の大半は、感染拡大防止措置の対象となった「生活必需分野以外の商業分野」に集中し、同分野の機会損失額は782億7,000万レアルに達している。一方、生活必需分野である「食品や医薬品販売分野」の機会損失額は81億3,000万レアルにとどまっている。同分野は、国内小売売上高全体の37%を占める。

さらに時系列でみると、3月第4週(22~28日)の機会損失額は230億3,000万レアルと金額が大きかったが、4月第3週(12~18日)の機会損失額は176億レアルに縮小した。

CNCはさらに、3月第4週から4月第3週にかけての売り上げ改善について、スマートフォンセンサーによる位置情報データを活用して要因を分析している。国内スタートアップ企業イン・ロコ(2020年4月23日記事参照)による調査では、国民の自宅滞在比率が3月後半の70%から4月後半には約50%に低下した。さらに、グーグルのコミュニティ・モビリティ・レポートでは、3月末と比較して4月の生活必需分野の商業施設付近で回遊する人数が17%、非生活必需分野の商業施設付近では29%それぞれ増加した。このことからCNCでは、eコマースや宅配による販売だけではなく、外出自粛要請を順守しない消費者が売り上げ回復に寄与した、と分析している。

(大久保敦)

(ブラジル)

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