米ワシントン州、5月末まで自宅退避命令延長、段階的に経済再開へ
(米国)
サンフランシスコ発
2020年05月08日
米国ワシントン州のジェイ・インスレー知事は5月4日、同日に期限を迎えた自宅退避・健康維持命令(Stay Home, Stay Healthy order)(2020年3月27日記事参照)を5月31日まで延長する命令に署名した。新しい命令では、自宅退避に関わる内容を再度延長する一方で、同知事が命令とあわせて発表した州の経済再開計画の第1段階で定められた事業活動の再開を認めた。
経済再開計画(Safe Start policy plan)は4つの段階に分けて、娯楽活動、集会、ビジネスなどを再開させる。全ての段階は最低3週間維持される。各ビジネスは、州保健局が別途示す業種ごとのガイドラインを順守する条件で再開可能となる。各段階で認められる活動の概要は次のとおり。
○第1段階
- 釣り、ゴルフなど一部の屋外活動
- 一部の既存の建設事業、造園サービス、自動車販売、洗車など
- 小売り〔カーブサイド・ピックアップ(注)に限る〕
○第2段階
- 5人以下の屋外活動・集会
- 新規の建設事業、専門サービス、オフィスでの執務(ただしテレワークを引き続き強く推奨)、ヘア・ネイルサロン、理髪店
- 小売りは制限付きで店内購入可。レストランは客数を収容能力の50%にとどめ、テーブル当たり5人までとし営業可
○第3段階
- 不要不急の旅行
- レストランは客数を収容能力の75%にとどめ、テーブル当たり10人以下とし営業可。バーは25%、映画館は50%をそれぞれ客数の収容上限とし営業可
- ナイトクラブや50人を超える規模のイベントを除く全てのビジネス
○第4段階
- 全ての娯楽活動
- 50人を超える規模の集会、ナイトクラブ、大型イベント
- 職場での執務。ただし、従業員同士の距離の確保や衛生対策は継続。
米国西部ではモンタナ州でも、スティーブ・ブロック知事が4月22日、段階的な活動再開に向けた計画を発表した。モンタナ州では自宅退避令が4月24日まで発令されていたが、4月27日以降、ビジネス活動は社会的距離の維持といった要件を順守した上で再開可能になった。レストランやバーなどは5月4日から客数の制限付きで店内営業を再開できる。
(注)消費者がオンラインで注文した商品を実店舗の駐車場で車から降りることなく受け取れるサービス。
(石橋裕貴)
(米国)
ビジネス短信 0e69ded78601036d