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イラクで新首相が就任、半年間の政治空白に区切りも課題は山積み

(イラク)

ドバイ発

2020年05月08日

イラク国民議会で5月6日、ムスタファ・アル・カディミ首相候補による組閣について審議があり、同氏より提出された閣僚名簿の一部が承認され、内閣が発足。同氏の正式な首相就任が決まった。イラクでは昨年10月に政権抗議デモが沸き起こって以降、当時のアブドルマフディ前首相が辞任、後任に指名された首相候補が相次いで組閣を断念するなど政治混迷が続いてきたが、今回の政権発足により、長期にわたる政治空白に一定の区切りが示された。

カディミ新首相は、米ワシントンDCを拠点とする中東情報ウェブメディア「アル・モニター」の元イラク担当コラムニスト・編集者で、2016年からは国家情報局のトップを務めてきた人物。先月4月9日より、3人目の首相候補としてバルハム・サーレハ大統領より指名を受け、憲法で規定される30日間の期限で組閣作業を行っていた。承認された閣僚ポストは22のうち15に留まり、過去の例と同様に内閣の顔ぶれが限定的な出だしとはなったが、前政権時は主な政争の的となり、発足から大臣が決まるまで8カ月を要した内務相や防衛相のポスト(2019年7月2日記事参照)が当初から承認を受けるなど、今回の組閣調整には一定の成果があったようだ。昨年の抗議デモの発端となり、未解決のまま残る生活インフラの改善や政治改革といった重要課題に対してどのように取り組んでいくのか、新首相の手腕が注目される。

一方で5日未明、政権発足が審議される議会の開催前日というタイミングでバグダッド国際空港付近にロケット弾3発が着弾するなど、不透明なセキュリティ情勢があらためて浮き彫りとなっている。さらには目下、新型コロナウイルスの世界的な流行に伴ってイラクでも空港閉鎖や外出制限などの措置が発令中であり、今後各種対策の舵取りが迫られていくことに加え、財政の大半を依存する原油価格が大幅に下落する中で経済危機への早期対応に迫られるなど、何重もの国難の状況下での新政権の船出となった。

(田辺直紀、オマール・アル・シャマリ)

(イラク)

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