アフリカ大陸沿岸を取り囲む世界最大級海底ケーブル敷設プロジェクトが始動
(アフリカ)
中東アフリカ課
2020年05月27日
中国移動国際(チャイナ・モバイル・インターナショナル)、米フェイスブック、南アフリカ共和国MTNグローバル・コネクト、仏オランジュなどの通信関連8社(注1)は5月14日、世界最大級の海底ケーブルプロジェクト「2Africa」実現に向けて協力すると発表した。アフリカでのインターネット接続や通信事情の向上を目的とし、2023~2024年の運用を目指す。
2Africaはアフリカ大陸全体に寄与するシステム構築を目指すもので、2019年4月に主要メディアで報じられたフェイスブックのSimbaプロジェクトの対外的な名称。2Africa参画企業7社(テレコム・エジプトを除く)とエアテルが、テレコム・エジプトと契約を結んだことで、アフリカ大陸の東海岸と欧州をシームレスに繋ぐ敷設ルートが確立された。
アフリカ大陸を取り囲むように敷設される2Africaは、全長3万7,000キロメートル。アフリカ沿岸16カ国(注2)と中東2カ国(オマーン、サウジアラビア)、欧州5カ国(英国、フランス、イタリア、ポルトガル、スペイン)の全23カ国を結ぶ。フランスの海底ケーブル製造・補修会社アルカテル・サブマリン・ネットワークス(ASN)が全額出資を受けてケーブル敷設を担う。同社は米グーグルが2021年の完工を目指すイクイアーノ(注3)プロジェクトにも参画する企業で、2Africaでは同社が売りにする新型ケーブルで大容量化をはかる。2Africaが遂行されれば、関係23カ国がインターネットでつながり、企業や個人の利用者は情報通信、高画質のテレビ放送、インターネットサービス、ビデオ会議、高度なマルチメディアやビデオアプリを利用できる(2Africaウェブサイト
)。
(注1)このほか、サウジテレコム、テレコム・エジプト、英ボーダフォン、西インド洋ケーブル会社(モーリシャスの電機通信会社)
(注2)セネガル、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、ガボン、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、南ア、モザンビーク、マダガスカル、タンザニア、ケニア、ソマリア、ジブチ、スーダン、エジプト
(注3)ナイジェリアを経由(接続地点と)し、ポルトガル~南アをアフリカ大陸西岸に沿って結ぶ海底ケーブル
(堀田萌乃)
(アフリカ)
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