インフォーマル就労者や個人事業主向けの支援策が法案化

(チリ)

サンティアゴ発

2020年05月01日

チリのセバスティアン・ピニェラ大統領は4月20日、社会保障制度によって保護されない、インフォーマル就労者向けの所得支援策として、約8億ドルを支出する法案を発表した。なお、本法案は、4月8日に発表された経済対策(2020年4月17日記事参照)に内包されるものだ。

同法案は、新型コロナウイルス感染拡大に伴って十分な収入を得られなくなったインフォーマル就労者の保護を目的としており、約170万~190万世帯を対象に給付金の支給を行うもの。支給期間は3カ月間で、支給額は世帯の人数や、経済状況によって異なる。最貧困層(注)に属し、かつ世帯人数が1人の場合は、1カ月目の支給額は6万5,000ペソ(約8,450円、1ペソ=約0.13円)となる。世帯人数が増えるにつれて支給額も上がり、10人以上の場合には49万4,000ペソとなる。また、2カ月目の支給額は1カ月目の85%、3か月目は70%に減少する仕組みになっている。

さらに、ピニェラ大統領は4月29日、インフォーマル就労者と同様に、失業保険の適用対象外となる個人事業主の所得支援を目的とした法案を発表した。本法案は、約200万人の個人事業主を対象としており、専用の基金から給付金を支給し、収入の減少した個人事業主を援助する。

(注)家庭社会登記(Registro Social de Hogar)システムに登録された、世帯収入が最も少ない層。全体の40%に相当。

(岡戸美澪)

(チリ)

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