130の縫製・製靴工場が操業停止、10万人の労働者に影響

(カンボジア)

プノンペン発

2020年05月01日

労働職業訓練省高官は「新型コロナウイルスによる世界経済の低迷で、縫製・製靴産業において最大130の工場が操業停止を申請し、10万人の労働者に影響している」と発言した(「クメールタイムズ」紙4月28日)。また、同報道によると、今年の第2四半期における輸出額は前年同期比50~60%減となる可能性があるとした。

カンボジアで縫製・製靴産業に従事する労働者は約75万人にのぼり、全輸出額の約7割を占める国内の主要産業の1つだ。しかし、主要輸出先の欧米諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、需要が減少したことで大きな影響を受けている。

このような状況のもと、休業する工場の雇用者は労働者に対し、労働契約停止を行い、政府は労働契約の停止に係る支援策(2020年4月22日記事参照)を発出している。また、カンボジア中央銀行は民間金融機関に対し、ローンの返済猶予や再編成に係る手数料の免除の要請を行い(「クメールタイムズ」紙4月27日)、雇用者および労働者の負担軽減措置を講じている。

なお、世界経済の低迷は同国の経済に多大な影響を及ぼすことが予想され、IMFは2020年の経済成長率の予測を2019年10月時点の6.8%からマイナス1.6%に下方修正している。

(脇坂敬久)

(カンボジア)

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