新型コロナウイルスの影響で新車登録台数が減少

(英国)

欧州ロシアCIS課

2020年04月17日

英国自動車製造者販売者協会(SMMT)は4月6日、3月の新車登録台数を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大やその防止のために、政府が3月23日に発表した自動車販売店の閉鎖が影響し、前年同月比44.4%減の25万4,684台となった(表参照)。なお、2月の新車登録台数は、前年同月比2.9%減だった。3月の新車登録台数はリーマン・ショック時よりも急激な落ち込みとなり、1990年代後半以降で最も低く、前年同月と比べ20万3,370台の減少となった。一般車で前年同月比40.4%減となったほか、社用車では61.1%減と大きく落ち込んだ。燃料別にみると、ガソリン車とディーゼル車ではそれぞれ前年同月比で49.9%減と61.9%減となった。一方で、バッテリー車(BEV)は、3倍に増加、シェア4.6%を占め、プラグインハイブリッド車(PHEV)も38.0%増加し、環境性能の高い自動車への需要は引き続き堅調だ。

表 燃料種別新車登録台数

また、新型コロナウイルスの影響により、SMMTは2020年の新車登録台数予測を1月の予想から23%減の173万台に引き下げた。これは2019年に登録された231万台よりも約25%少ない台数となる。

SMMTのマイク・ホーズ会長は「多くの国で3月は危機的状況に陥っているため、この減少は驚くに値しない。経済が急停止したときに何が起こるかを理解すること以外に、今回の数値から長期的な結論を導き出すべきではない。市場が停滞したままの期間は不明だが、市場はいずれ再開し、その時に購入できる自動車は用意されている」とした。

なお、SMMTによると、英国よりも早く欧州でロックダウン(都市封鎖)が行われた国では、3月の新車登録台数は劇的な下落となり、前年同月比でイタリア85%減、フランス72%減、スペイン69%減となった。

(宮口祐貴)

(英国)

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