中小企業と消費者をつなぐウェブプラットフォームがオープン

チリ経済・振興・観光省傘下の技術協力庁（SERCOTEC）および産業振興公社（CORFO）により、国内の中小企業を支援する新たな取り組みとして、ウェブプラットフォーム「todosxlaspymes.cl」が開設された。

本ウェブサイトは、中小企業が消費者に対して自社の製品をダイレクトにアピールする場として設立されたもので、中小企業であれば無料で利用することが可能。利用者は、コンタクト先などの必要情報と共に、自社の製品やサービスをアピールする60秒程度のプロモーションビデオを同ウェブサイトへアップロードする。ウェブサイトの運営責任者がアップロードされた内容に問題がないかを確認し、所定の編集が施された後、72時間以内に一般公開される。撮影機材については、スマートフォンのみで十分とされている。

「todosxlaspymes.cl」上には、4月15日時点で既に151本のプロモーションビデオがアップロードされており、「工芸品」「アクセサリー」「食料・飲料」「美容・健康」「ゲーム・おもちゃ」「デコレーション」、「園芸」「衣服・履物」「ペット」「書籍・文房具・音楽」「観光」「スポーツ」「サービス」「その他」の計14のカテゴリーが設けられている。動画時間が60秒程度と限られていることから、各企業の担当者は簡単に自社の製品やサービスの紹介を行った後、自らのウェブページや、Facebook、Instagram、LinkedIn、Twitter、YouTube、WhatsAppなどへ興味を持った消費者を誘導し、コンタクトを行うという形をとっている。

チリでは2019年10月の地下鉄料金値上げが引き金となった反政府デモの暴徒化、およびそれに続く新型コロナウイルスの感染拡大により国内企業のビジネスに深刻な影響が出ている技術協力庁のウェブページでは、特に中小企業については「ここ100年でもっとも深刻な状況に置かれている」と形容されている。本ウェブサイトの開設は、既に公表された企業への資金融資（2020年4月17日記事参照）などの措置と合わせて、苦境に立たされる中小企業を救う打開策となることが期待されている。

（佐藤竣平）