経済特区庁の第1四半期投資認可額が28%減少、3月の認可件数はゼロ

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月30日

フィリピン経済特区庁(PEZA)は4月22日、2020年第1四半期(1~3月)の投資認可額が164億9,624万ペソ(約346億4,210万円、1ペソ=約2.1円)となり、前年同期(229億475万ペソ)より28.0%減少したと発表した。

PEZAのチャリト・プラザ長官は投資認可額の減少理由について、1月から2月までの投資認可額は前年同期比5.85%減だったが、3月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う広域隔離措置の発動の影響もあり、同月に投資を認可したプロジェクトはなかったと説明した。1月から3月までの間に認可したプロジェクトは87件で、前年同期(128件)より32.0%減少した。プラザ長官によると、3月は投資認可を行うための役員会も開催できなかった。

第1四半期の投資認可額の業種別内訳は、製造業が77億4,189万ペソで前年同期比15.0%減、ITが23億2,648万ペソで42.0%減、エコゾーン開発が63億8,538万ペソで26.5%減、その他が4,249万ペソで96.1%減だった。

フィリピン政府は3月16日、広域隔離措置(ECQ)発動後のPEZAを含む輸出型製造業やビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業の操業について、工業団地内または近郊に従業員の宿舎を自社で確保すること、自社で手配した通勤用バスで出社させること、そしてソーシャルディスタンスを保った上で必要最小限の人員で操業すること、といった指針を示している。そのため、実質的な操業の一時停止や、限られた人員での操業を余儀なくされる日系企業も多く存在するなど、投資環境は厳しい状況に直面している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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