経済省、新型コロナ緊急対策の国庫支出状況を公表

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年04月23日

ブラジル経済省は4月17日、新型コロナ緊急対策における国庫支出状況を公表した。これによると、同日時点で今後、国庫による支出予定額は3,070億レアル(約6兆1,400億円、1レアル=約20円)。うち、2020年の支出予定額は2,854億レアルとなっている。

経済省のワンダレー・ドロリゲス財務局長によると、3,070億レアルと2,854億レアルの差額216億レアルは、連邦政府に対する州・自治体債務の支払い停止分となる。

パウロ・ゲデス経済相は3月26日、新型コロナ感染拡大防止のため、事業規模7,500億レアルの緊急経済対策を発表していたが(2020年4月1日記事参照)、4月17日、これを1兆1,168億レアルまで拡充した。同緊急対策には、中央銀行への強制預託率引き下げ(金融緩和)による市場への資金供給額、政府系金融機関各行による企業向け融資額、課税削減額などが含まれる。

新型コロナ緊急対策の主な内訳は以下のとおり。

  • 生活弱者と労働者の救済に最大2,124億レアル(国庫支出:1,029億レアル)。
  • 州政府・自治体への援助に最大1,334億レアル(721億レアル)。
  • 感染流行対策に最大243レアル(178億レアル)。
  • 企業のキャッシュフロー改善・雇用対策に最大5,240億レアル(516億レアル)。

経済省はまた、緊急対策による連邦政府財政支出の透明性を高めるために、国民が同支出状況を確認できる専用ウエブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを立ち上げた。

同サイトによると、国庫支出予定額の中で、現時点で支出が許可されているのは2,267億9,000万レアル。いずれも、大統領暫定措置令(MP)で定められたものだ。そのうち、実際に支払いが行われたのは22.4%に相当する507億8,000万レアル。その大半は、生活弱者への給付と中小零細企業などによる給与支払いを支援するファイナンス供与となっている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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