新型コロナウイルスの影響で在カナダ日系企業の9割が在宅勤務実施
(カナダ)
トロント発
2020年04月01日
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、カナダ国内の連邦、州、市など各レベルから、職場閉鎖や自宅待機などの命令、要請がされる中、企業活動に著しい影響が及んでいる。ジェトロは在カナダの日系企業を対象に、在宅勤務などの状況、感染拡大による生産や販売への影響などについて、緊急アンケートを実施した。アンケートはカナダ現地時間3月24~26日に実施し、95社から回答を得た。アンケート結果の概要は以下のとおり。
回答企業95社の9割が在宅勤務を実施している。在宅勤務実施の企業のうち、8割を超える企業で「何らかの」または「大きな」支障が出ている。具体的には、営業活動、製造や倉庫などの現場作業、オフィスとの環境の違いに関するものなどだ。
工場や倉庫勤務の従業員など在宅勤務にそぐわない社員を抱える企業のうち、自宅待機中に給与全額支給を余儀なくされている企業が44.4%あり、大きな負担となっている。
生産・販売状況:約8割の企業で売り上げが減少
感染拡大により、78.9%の企業が売上高は「減少」していると回答した。その理由について、製造業では「国内需要の減少」(取引先の減産を含む)を挙げた企業が30.2%だった。中国をはじめとするサプライヤーからの部材などの遅延も24.5%に上る。生産状況については、通常レベル未満の稼働率の企業(生産を停止した企業も含む)は68.9%あり、その要因は「受注減」などの需要面と「欠勤者増加」による従業員不足などが挙がった。
先の見通しが立たないこと、入国規制が課題
対処に苦慮している課題として、現在の状況がいつまで続くのか、先が見通せないことを各回答企業は懸念している。具体的には「カナダの入国規制」を挙げた企業が最も多く、日本から赴任予定だった駐在員が入国できず、「人事の停滞を懸念」「新年度の事業実施計画の見直しを余儀なくされた」などの回答があった。
アンケート結果の全文は「在カナダ日系企業の新型コロナウイルス対策に関わる緊急・クイックアンケート調査結果(1.6MB)」から閲覧できる。
(酒井拓司)
(カナダ)
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