新型コロナウイルスの感染拡大で米国レストラン業界の売り上げは半減
(米国)
ニューヨーク発
2020年04月01日
米国では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて半数以上の州が外出禁止令を発令している中、レストラン業界が大きな打撃を被っている。全米レストラン協会が3月1~22日に国内のレストラン経営者4,000人に行ったアンケート調査によると、レストラン業界は推定で、同期間に見込まれていた売り上げの約半分に当たる250億ドルの損失を被り、300万人以上が失業した。また、回答者の3%は既にレストランを閉鎖、44%は一時閉鎖中、11%は今後30日以内に完全に閉鎖する見込みという。
さらに、レストラン予約サービスサイト「オープンテーブル(OpenTable)」によると、サイトに登録している米国のレストランへの来店者数が3月中旬から激減している。同サイトでは、新型コロナウイルスの感染拡大がレストランに与える影響を把握しようと、レストランでの着席客数(オンライン予約、電話予約または当日来店)が前年の同じ週、同じ曜日からどれほど変化しているか示している。米国のデータをみると、2月末までは大きな変化はなかったものの、3月に入ってからは徐々に着席客数の前年同曜日比が減少した。3月11日に19%減となり、3月16日に減少率が50%を超えた後は一気に増えて、3月21日以降は100%の減少率が続いている。全米で最もレストランが集積する都市の1つのニューヨーク市では、3月9日から前年同曜日比が急減し、3月17日以降は100%減が続いている。同サイトのデータはオープンテ―ブルの登録レストランのみが対象という条件付きなものの、新型コロナウイルスの感染拡大よるレストラン業界へのダメージが大きいことがうかがえる。
ニューヨーク州レストラン協会はウェブページで全米および同州のレストラン関係の最新情報などを公表している。このページには、連邦政府や州政府、ニューヨーク市の対応状況に加え、全米レストラン協会によるレストラン関係者に対する救済策などが掲載され、随時更新されている。
ニューヨーク市内の日系レストランの経営者はジェトロの取材に現状について、「2001年の連続同時多発テロやリーマン・ショックも経験してきたが、レストラン産業にとっては今までにないレベルの打撃」と語った。
(荒高弘)
(米国)
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