ホーチミン市、企業の新型コロナウイルス感染リスクを評価

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年04月14日

ホーチミン市の新型コロナウイルス感染症監視委員会は、工業団地管理委員会や市保健当局などに対し、工業団地内の工場など事業所の事業継続の可否を判断するため、一定の指標に基づき感染リスクを評価するよう指示した。4月7日付国営ベトナムニュースが報じた。

ベトナム国内では4月1~15日まで、不要不急の外出を控えるなど全国的に社会的隔離が要請されており、16日以降の政府方針が注目されている。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しつつ、経済への影響を緩和するためには、感染リスクに応じ事業活動の継続の可否についてきめ細かな判断を行うことが課題となっている。

4月6日付の市の決定文書1203/QD-BCD外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、事業所は10個の指標(注)に基づき、各指標を10点、合計100点で評価される。80点以上となった事業所は完全閉鎖を要請される。50~80点の場合も、リスク軽減手段を講じなければ閉鎖を要請される。その他の事業所は通常営業が認められるが、当局の定期的な監督を受ける。

例えば、夜間勤務については、なし1点、あり10点と評価される。新型コロナ感染症の防止策の一環として、労働者を分散するため夜間勤務を導入した事業所についてはどう評価されるかなど、運用の細部については注視が必要だが、経済回復を探る試みとして注目される。

(注)10個の指標は次のとおり。労働者数、労働者の密度、工場の出入口でのアルコール消毒実施、勤務時間中のマスク着用率、工場入場時の検温実施率、カフェテリアでの利用者の間隔、送迎車の利用人数、労働者の共同住宅の数、労働者のマスク支給率、夜間勤務の有無。詳細は、決定文書1203/QD-BCDを参照のこと。

(比良井慎司)

(ベトナム)

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