2月の国際収支、8億3,900万ドルの黒字

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月20日

フィリピン中央銀行(BSP)は4月15日、2月の国際収支が8億3,900万ドルの黒字で、前年同月(4億6,700万ドルの黒字)から3億7,200万ドル、前月(13億5,500万ドルの赤字)から21億9,400万ドル、それぞれ国際収支が改善したと発表した。

フィリピンの国際収支は2019年7月以降、黒字を継続していたが、1月に入り、政府が外貨建て債務の返済を行ったほか、米国とイランの地政学的な緊張が高まったことや、1月12日にマニラ近郊のタール火山の噴火が活発化したことによる影響から、海外機関投資家がポートフォリオ投資を引き揚げたことで、7カ月ぶりに赤字を記録した(2020年3月13日記事参照)。2月に入り、政府がBSPに対して外貨預金を行ったことに加え、海外投資の収益増によって、黒字に転じた。ただし、1~2月の2カ月の国際収支の累計は5億1,600万ドルの赤字となり、前年同期(31億7,000万ドルの黒字)比で36億8,600万ドル悪化した。

新型コロナウイルス問題で、新興・途上国から資本の流出が進む中、BSPは、2月末時点で外貨準備高(GIR)は881億9,000万ドルと、輸入の7.8カ月分に相当する水準を保っており、短期対外債務と外貨準備の比率も5.4倍と、フィリピンの支払能力は安定しているとした。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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