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大統領が連邦政府機関の緊縮策をまとめた政令を公布

(メキシコ)

メキシコ発

2020年04月24日

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は4月23日、官報で政令を公布し、「新自由主義経済モデルの世界的危機に対処するために早急に断固として導入すべき対策」を提案した。附則2条によると、同政令は行政府が国会に提出する優先法案となる。同政令の有効期限は12月31日まで。新型コロナウイルス対策に必要な財源の確保に向けた緊縮財政策を導入するものであり、11の対策が挙げられているが、第9、第10項目は大統領の方針表明にとどまっており、第11項目は対象が連邦省庁のみならず国営企業などにも及ぶことを規定している項目のため、具体的な対策は以下8項目である。

  1. 課長補佐級以上の連邦政府官僚の給与を自由意思により合計で25%削減(高級官僚ほど多く削減)し、年末ボーナスも支給しない
  2. 「一般サービス・財・供給品」項目の支出を75%カット、中央省庁の次官職を10削減して機構をスリム化する
  3. 現時点で自宅待機になっている職員を8月末まで同様の扱いとする
  4. 国民に対して直接行政サービスを提供する部署と福祉政策に不可欠な部署を除き、5割の事務所を閉鎖し、職員の配置転換を行い、建物・倉庫の賃料を軽減する
  5. 現政権が重視する福祉政策や重点インフラプロジェクトなど38のプログラムを除き、2020年度歳出プログラムの支出を延期
  6. 大蔵公債省は州政府への交付金の支給、人件費や年金の支払い、債務返済を遅延なく行い、基金や信託の資金を大蔵公債省の許可なく利用することを禁じる
  7. 保健省、国防省、海軍省は上記緊縮策の対象外とする
  8. 連邦緊縮法(2019年11月19日公布)を厳格に適用する

行政能力のさらなる低下も

AMLO政権は政権発足時に高級官僚の給与を大幅に削減した(2018年11月7日記事参照)が、その影響で多くの官僚が退職し、行政能力の低下に繋がった。今回の緊縮策により優秀な官僚の外部流出がさらに進むことも想定され、行政機能のさらなる低下が懸念される。

政令第9項は、現政権の38の重点プログラムと発表済みの合計300万件の融資供与により、国内全世帯の70%に相当する2,500万世帯を支援し、200万人の雇用を生み出すとしている。しかし、同目標は非現実的だとの声が強い。メキシコでは1年間に200万の雇用が生まれたことは歴史上1度もなく、また、70%の世帯に対策が裨益するというのも疑わしい。特に現状で企業向け支援はほぼ皆無といえ、全国工業会議所連合会(CONCAMIN)が4月17~20日に傘下の会議所所属企業に対して実施したアンケートによると、新型コロナウイルス関連の連邦政府の支援を受けていると答えた企業は全体の1.09%に過ぎなかった。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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