中央銀行、政策金利を15%に引き下げ

(ウズベキスタン)

タシケント発

2020年04月16日

ウズベキスタン中央銀行は4月14日、翌日から政策金利を現行の16%から15%に引き下げると発表した。2018年9月以来の政策金利の変更で、現政権下での引き下げは初めて。

今回の政策金利の変更についてエコノミストのアブドゥラ・アブドゥカディロフ氏は、「金融情勢は安定的であり、経済に対し通貨の量的緩和策を積極的に行う時機という明確なシグナルを市場に示した」とコメントしている(ポータルサイト「アンホル・ウズ」、4月15日付)。ウズベキスタン政府は経済金融政策の中心にインフレ抑制を据え、インフレターゲット制を導入して従来政策金利の引き下げには消極的だったが、今回新型コロナウイルスによる経済への影響を勘案し、引き下げを決定したものとみられる。

今回の中央銀行の決定を受けてスムの対ドルレートも反応している。4月15日の多くの市中銀行の対ドル交換レートは3%程度下落し1ドル=1万スム(約100円、1スム=約0.01円)を超え、4月16日の中央銀行公定レートは4.4%のスム安となる1ドル=1万121スムとなった(4月15日は1ドル=9,693.36スム)。中央銀行は4月13日に発表したコメントで直近のスム安傾向の原因について、新型コロナウイルスの影響による輸出減、ロシア、カザフスタンなどの通貨の対ドルレートの大幅な下落を受けたスム・レートの調整、ロシアなどからの国外送金額の減少などを挙げた。一方で国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を踏まえると急激なスム安に振れる可能性は少ないとの見方を示した。3月には個人による外貨買いの動きが強まり、その金額は前月比45%増となったが、中央銀行は「市中銀行の外貨交換所には十分な外貨があり、通常営業を行っている。中央銀行はいかなる上限や規制を設定していない」とコメントしている。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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