モスクワ市、外出禁止措置違反に罰則を導入

(ロシア)

モスクワ発

2020年04月06日

モスクワ市政府は4月2日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため、同市政府が厳戒体制強化に伴い導入してきたイベント開催禁止措置(2020年3月15日記事参照)、食料品店や薬局などを除く小売店や外食店などの営業停止措置、市民の外出禁止措置(2020年3月30日記事参照)に違反した場合の罰則を導入した(4月1日付モスクワ市法第6号)。

イベントの開催、小売店や外食店の営業、複数の人々の来訪が伴うサービスの提供の停止要請に従わない場合、責任者には3万~4万ルーブル(約4万2,000~5万6,000円、1ルーブル=約1.4円)の罰金、企業には20万~30万ルーブルの罰金が科される。違反を繰り返した場合、責任者には4万~5万ルーブル、企業には30万~50万ルーブルの罰金が科される。

市民がモスクワ市の定める外出禁止(自宅などでの自己隔離)を含む厳戒態勢強化の規制に従わない場合、4,000ルーブルの罰金が科される。違反を繰り返した場合の罰金は5,000ルーブルで、車両を使用した場合の違反には5,000ルーブルの罰金が科される。

ただし、上記いずれの違反も連邦法での刑事責任もしくは行政責任(2020年4月3日記事参照)を含まない場合とされている。この場合、連邦法上の責任が優先されて適用されるとみられる。

同日、モスクワ市長令第36-UM号が発表され、イベント開催禁止、外食店などの営業停止の期限がそれぞれ4月10日、4月5日とされていたところ、いずれも5月1日に延長された。当局による個人情報の取り扱いに市民や専門家から懸念が示されていた外出許可システムについて、ソビャニン市長は自身のブログで、モスクワ市民の多くは外出を控えており、差し当たり同システムは導入しないと表明した。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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