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労働党の新党首にスターマー影のEU離脱相を選出、当面は新型コロナ対策で政府に協力

(英国)

ロンドン発

2020年04月06日

英国の最大野党・労働党は4月4日、2月下旬から行ってきた党首選挙の結果を公表。キア・スターマー影のEU離脱相を新党首に選出した。与党・保守党に歴史的大敗を喫した先の総選挙(2019年12月13日記事参照)を受けて辞意を表明していたジェレミー・コービン党首の後を継ぎ、党勢の立て直しを図る。

党員や労働組合員などによる投票には、スターマー氏のほか、コービン党首の急進左派路線を継ぐレベッカ・ロング=ベイリー影のビジネス・エネルギー・産業戦略相、イングランド北西部のEU離脱支持者が多数を占める選挙区を地盤にコービン氏とは距離を置いたリサ・ナンディ元影のエネルギー気候変動相が候補として進んでいた。結果、スターマー氏が56.2%の投票を獲得。党首選出の条件となる過半数の得票を1回目の投票で確保し、2人の女性候補を下した。5人の候補で争われた副党首選挙では、アンジェラ・レイナー影の教育相が3回目の投票で過半数を制した。

スターマー新党首は検察局長官を務めた後、2015年に政界に転じ、ロンドンが地盤。コービン党首の下では親EU派の代表格で、EU離脱を問う2度目の国民投票実施を主張し続けた。中道路線を支持する党員や有権者から幅広い支持を集めたスターマー氏は、コービン執行部の急進左派路線から軌道修正を図るとみられるが、その一方で、党首選では公共事業の国営化などコービン路線を踏襲する政策外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも掲げている。中道派と急進左派の党内融和が急がれる一方、エド・ミリバンド党首(当時)時代の中道路線の下で他党との差別化に失敗し、2015年の総選挙で保守党に単独過半数確保を許した記憶も新しく、スターマー新党首は難しいかじ取りを迫られる。

当面は新型コロナウイルス感染症の対策に全力を挙げる。スターマー新党首は5日のBBCの番組で「建設的に協力しなければならない。政府が正しい行動をすれば支援するし、(そうでなければ)難しい質問も浴びせる」とコメント。政府の対策を後押ししつつ、チェック機能を果たす意欲を示した。政権側ではボリス・ジョンソン首相が4日、新党首に祝意を伝え、「全ての政党の指導者が引き続き建設的に協業することが重要だと一致した」とツイート。また、ジョンソン首相は同日、スターマー新党首や野党各党の代表に書簡を送り、週内(4月6日からの週)に首相が開催する状況説明会への参加と対策協議を呼び掛けた。しかし5日夜には、首相自身が3月26日に新型コロナウイルス感染で発症して翌27日から官邸で自己隔離しながら職務に従事していたものの、検査入院したことが発表されるなど、状況は厳しさを増している。

なお、労働党の新党首選出結果の発表は、臨時総会を開催して行われるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止されている。

(宮崎拓)

(英国)

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