新型コロナ対策でヘルシンキ含む首都圏を閉鎖

(フィンランド)

ロンドン発

2020年04月01日

フィンランド政府は3月28日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、首都ヘルシンキを含むウーシマー郡と他地域との移動を制限外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同郡にはフィンランドの人口の約3分の1に当たる約170万人が居住。感染者の大半が集中しており、同国内での流行の震源となっているため、封鎖に踏み切った。

移動制限は同日から4月19日まで有効で、期間中は通勤・通学、介護、家族の死去など限られた要件を除き、同郡と域外の往来は禁止され、違反者には罰金が科される。域外との物流は制限せず、同郡内での人の移動は認められる。

政府は国外からの入国制限外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますもさらに強化した。既にフィンランド人と在留外国人を除く渡航者の入国は禁止し、帰国したフィンランド人・在留外国人には、2週間の自主隔離を求めていたが(2020年3月19日記事参照)、3月27日からは帰国者に対し入国審査前に所定の様式による健康状態の申告を義務化。申告内容により、帰宅、交通手配窓口、検疫所のいずれかに振り分けられる。検疫所で症状が見られれば、感染の有無を調べるPCR検査を受け、結果が出るまではホテルで待機させられる。結果が陽性ならそのまま医療施設に搬送され、陰性なら従来どおり14日間の自主隔離となるが、自主隔離に同意しない帰国者には行政命令により、強制できるようにした。空港からの公共交通機関の利用は認められないため、帰宅者は自家用車を利用するか、他の手段で交通を手配できない場合は、専用バスやタクシーを利用する。専用バスは3月27日午後から運行されている。

政府サンナ・マリン首相は3月30日、実施中の入国規制や10人超の集会の禁止、公営施設の閉鎖や学校授業の遠隔学習などの措置の期限を4月13日から5月13日まで延長すると表明。緩和される目途は立たない。政府は更に踏み込み、3月31日、飲食店やバーなどの持ち帰りを除く店内営業を停止する措置を発表した。4月4日から5月31日の間適用される。

(前薗香織、杉田舞希)

(フィンランド)

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