EU労働安全衛生機構、通常勤務再開に向けたガイドライン公開

(EU)

ブリュッセル発

2020年04月27日

EUの労働安全と衛生に関する情報提供機関のEU安全衛生機構(EU-OSHA)は4月24日、新型コロナウイルス対策として導入されたさまざまな制限の段階的な解除に伴う、通常の勤務体制の再開に向けたガイドラインを公開した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同ガイドラインに拘束力はないが、新型コロナウイルスによって大きく変化した労働環境における安全確保の支援を目的に、次の6分野での助言を提供する。

(1)リスク評価と適切な施策

  • 新型コロナウイルスへの曝露(exposure)の最小化
  • 事業所閉鎖期間終了後の労働の再開
  • (ウイルスによる)高い欠勤率への対処
  • 在宅勤務者の管理

(2)労働者自身の関与

(3)新型コロナウイルスに感染していた労働者への配慮

(4)将来に向けた計画と学び

(5)情報収集

(6)分野・職業別情報

例えば、(1)「リスク評価と適切な施策」の「新型コロナウイルスへの曝露(ばくろ)の最小化」では、「まずは必要不可欠の業務のみ実施する」「できる限り労働者間の身体的接触を抑制する」「顧客との、また、顧客間の身体的接触を避ける」「労働者の間に遮蔽(しゃへい)性の高いついたてを設置する」「濃厚接触が避けられない場合は、15分未満にする」「せっけんと水、適切な手指消毒液を適切な場所に提供する」などの助言が記載された。また、「事業所閉鎖の終了後の労働の再開」では、感染防止対策の一環として事業所が閉鎖されていた場合は、「リスク評価の更新」「職場のレイアウトと体制を、新型コロナウイルスの感染を抑制するよう変更する」「高齢者や持病があるなど高リスクの労働者に特に注意する」「ストレスや心配を抱える労働者への支援実施を検討する」などの点を考慮して、健康と安全に配慮した事業再開の計画を作成することを助言した。

さらに、(6)「分野・職業別情報」には、EU加盟国だけでなく、米国やオーストラリア、英国、また、国際労働機関(ILO)や世界保健機関(WHO)など国際機関が発表した職業分野別ガイドラインへのリンクのリストが掲載されている。

(村岡有)

(EU)

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