ヌルスルタン、アルマトイ2都市で一部の企業活動が再開

(カザフスタン)

タシケント発

2020年04月20日

カザフスタンの国家非常事態委員会は4月15日の定例会議で、都市封鎖を実施している首都ヌルスルタン市、アルマトイ市の企業、事業所の一部営業を許可することを決めた(「カザフスタン首相公式ウェブサイト」2020年4月15日)(営業が許可される業種は添付資料参照)。

政府は疫学・公衆衛生上、問題がないことを条件に営業を許可し、2都市の市長(知事級)には監督を徹底するよう指示している。

カザフスタンの新型コロナウイルス感染者数は、引き続き増加している(4月16日午後7時現在、感染者1,341人、死者16人、回復者263人)。4月14日にはカシムジョマルト・トカエフ大統領が、非常事態を5月1日まで延長する大統領令に署名した。保健省は感染拡大のピークは間近と予測しているが、依然予断を許さない状況だ。

今回の決定の背景には、深刻化する経済への配慮がある。この2都市には、非常事態下で最も打撃を受けている個人事業主を含む中小零細企業の40%が集中しており、営業停止が長期化することで深刻な社会不安を招きかねない。政府は、収入を失った労働者に最低賃金分の現金支給(2020年3月30日記事参照)などの支援を行うとともに、感染状況を踏まえつつ、段階的に営業許可を拡大していく方針だ。

この日の会議ではこのほか、都市に食料品、農産物の搬入を行う業者への検問手法の統一化、農家の種まき準備への支援、農作物の先物取引の実施や公共料金の値下げ、貧困層への食料品配付に代えて現金支給とすること、非常事態下で無料化された通信費の国庫負担などが採択された。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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