新型コロナウイルスの影響で約7割の企業が売り上げ10%以上減と予測

(モンゴル)

北京発

2020年04月20日

モンゴル商工会議所(以下、MNCCI)は3月9日、新型コロナウイルス感染予防のためモンゴル政府が行った規制や制限について、ビジネスへの影響に関する調査結果を発表した。同調査は2020年3月3~4日に1,100社を対象として実施した(注1)。

調査結果によると、新型コロナウイルス感染予防のための規制や制限が事業に与える影響について、89.5%の企業が「非常に影響がある」または「ある程度影響がある」と回答した。「影響はない」と答えた企業は2.2%にとどまった。影響を受けた内容については、「商品サービスの需要減少」が57.7%、「物流障害により商品を提供できない」が40.1%だった。現在直面している問題については、債務、社会保険料やテナント賃料の支払いに困っていることを挙げる企業が多かった。

新型コロナウイルス感染予防のための規制や制限が2020年上半期の売り上げに与える影響については、67.4%が「売り上げが10%以上減少」、46.4%が「売り上げが30%以上減少」の見込みとした。2020年の事業計画の見直しについては、32.9%が「まだどちらともいえない」と回答し、31.1%が「目標を下方修正する」と答えた。

企業がモンゴル政府に期待する支援策としては、36.3%が「法人税・社会保険料の納付猶予」、20.3%が「非常事態宣言の解除後の景気回復対策を迅速に行うこと」を挙げたほか、「企業の借入に対する政府支援」(注2)、「政府調達における中小企業に対する優遇」、「行政手続きの簡素化・迅速化」、「個人消費促進による経済対策」などを実施する必要があると回答した。

なお、モンゴル保健省によると、4月13日現在、モンゴル国内における新型コロナウイルス感染者数は30人(全て海外からの帰国者)で、市中での感染は発生していないとしている。政府は国民に対して、引き続きマスク着用と手洗いを励行している。

モンゴルと日本を含む各国との航空便は4月30日まで運休中であり、再開の見通しは立っていない。

(注1)回答企業を業種別にみると、25%が卸・小売業、22%がサービス業、11%が食品製造。売上規模別では36%が1億トゥグルク(約400万円、1トゥグルク=約0.04円)以下、24%が1~5億トゥグルクの中小企業、29%が10~50億トゥグルクの中堅企業となっている。

(注2)モンゴル政府は、銀行に対して企業との融資契約の見直しに応じるよう指導することを3月18日の閣議で決定している。

(藤井一範)

(モンゴル)

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