4月28日から警報レベルを引き下げ、一部ビジネスを再開へ

(ニュージーランド)

シドニー発

2020年04月22日

ジャシンダ・アーダーン首相は4月20日、新型コロナウイルスの警報レベルについて、1週間後の4月27日午後11時59分(ニュージーランド時間)以降、現在のレベル4から一段低いレベル3へ引き下げる方針を発表した。その後、レベル3の状態は2週間継続され、5月11日に更なる見直しが行われる。

最も高いレベル4の措置は、3月26日から4週間継続され、4月22日に期限を迎えることとなっていた(2020年3月25日記事参照)。レベル4の期間中、全ての住民は自宅などで自己隔離する必要があり、教育機関の閉鎖、スーパーマーケット、薬局、病院など不可欠なサービスを除くビジネスの中止、厳格な旅行制限などが課され、買い物や散歩を除く外出は禁止されていた。

レベル3への移行後も、ビジネスは可能な限り在宅勤務にて行うこととされており、建設業や林業など、顧客との接点がないビジネスについては、衛生管理や社会的距離を守った上で再開することが認められる。小売業や飲食業など、顧客との接点が発生する事業については、オンラインや電話での販売に限定され、非接触型配送やクリックアンドコレクト(注)での受け渡しのみ可能となる。教育機関については、10年生(14歳)までの生徒に対して開校されるが、出席は任意で、自宅に留まることができる生徒はオンライン学習を継続することが最適とされている。これに伴い、通勤や通学のために必要な、最低限の移動は認められる。

アーダーン首相は、「レベル3への移行後、40万人以上が仕事に復帰し、建設業、製造業、林業などの主要産業が再開する」と見込み、「新型コロナウイルスの脅威が低い状態で経済活動を再開できれば、競争優位性を獲得することができる」と期待を寄せた。一方で、「レベル3の状況下では、各人がルールを守り、人との接触を減らし、感染の連鎖を断ち切ることができるよう、より一層警戒を強める必要がある」と国民へ呼び掛けた。

(注)オンラインで購入した商品を、店舗や宅配ボックスなど、自宅以外の場所で受け取ること。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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