ニュージーランド、3月26日から4週間のロックダウンへ

(ニュージーランド)

オークランド発

2020年03月25日

ジャシンダ・アーダーン首相は3月23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、26日から同ウイルスの警報レベルを、最も高いレベル4に引き上げることを発表した。24日にはレベル3に引き上げており、公共施設の閉鎖、一部教育機関の休校、集会イベントが中止となり、企業も在宅勤務を余儀なくされている。

レベル4は、3月25日午後11時59分(ニュージーランド時間)より4月22日までの当面4週間継続される。全ての住民は同期間、自宅などで自己隔離する必要があり、外出は禁止される。これにより、全ての教育機関の閉鎖、不可欠なサービス(スーパーマーケット、薬局、病院)を除くビジネスの中止、厳格な旅行制限などが課される。ただし、買い物や散歩のための外出は可能(注)で、アーダーン首相は「スーパーマーケットには十分な供給が確保されているので、パニックになる必要はない」と国民に平静を呼び掛けている。

グラント・ロバートソン財務相は3月19日、新型コロナウイルスへの経済対策として121億ニュージーランド・ドル(約7,865億円、NZドル、1NZドル=約65円)を発表した。企業の従業員に対する賃金補助に51億NZドル、自己隔離に対する支援策に1.26億NZドル、高齢者などへの冬季暖房費補助に28億NZドル、航空産業の支援に6億NZドルといった政策を打ち出した。

賃金補助については、2020年1~6月までの期間で前年同月比30%以上の売り上げ減がある(または予見される)企業が対象となる。従業員に支払われる補助額は週20時間以上の勤務に対して、週585.8NZドルもしくは12週間で計7,029.6NZドル、パートタイムの場合は、週350NZドルもしくは12週間で計4,200NZドルとなる。

(注)歩行中は対人距離を2メートル以上とるよう推奨されている。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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