深セン上場企業の事業再開が進むも、約半数が「経営に支障」と回答

(中国)

広州発

2020年04月17日

中国証券監督管理委員会深セン監督局は4月3日、管轄地域の上場企業の新型コロナウイルスの影響に関する調査結果(回答企業:408社)を発表した。

「事業再開の状況」について、3月26日時点の操業再開率は前回調査(3月初旬)の80.6%から96.8%に上昇した。従業員の職場復帰率が80%を超える企業は25.7%から69.6%に、稼働率が50%回復した企業は40.3%から69.4%にそれぞれ上昇した。

「稼働率が回復していない要因」については、サプライチェーンの川上・川下企業が完全に操業を再開していなかったり、資金繰りの逼迫やコスト上昇、労働者が不足したりしているといった回答が多かった。

「政府から受けた支援策」では、社会保険料の納付期限の延期が305社、雇用維持支援策(注)が185社、不動産賃貸料の減免が150社、融資利息の補助が53社という回答企業が多かった。一方、事業継続の資金繰りに困っている中堅・中小企業向けの「深セン市民営企業安定発展基金」の委託貸し付け(Entrusted loans)を利用した上場企業は5社にとどまった。

注目される点は、回答企業数の46.3%を占める189社が経営に支障が出ていると回答し、中には倒産を懸念する企業まで含まれていることだ。また、85社が新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、海外からの受注が大幅に減少するとしている。

2019年の年次報告書を4月30日までに開示できないと見込む上場企業数は、前回調査の219社から114社へと減少した。

(注)人員削減を行わない、あるいは削減人数の少ない企業に対して、前年度の失業保険料の50%が還付される深セン市の制度。

(盧真)

(中国)

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