新型コロナウイルス対策のためのつなぎ融資枠に200億フランを追加

(スイス)

ジュネーブ発

2020年04月07日

連邦参事会(内閣)は4月3日、新型コロナウイルスによる影響を軽減するためのつなぎ融資枠を拡大することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。連邦参事会は3月20日に発表した総合対策の中で、感染拡大により事業運営に関る被害を受けた事業者を対象に、200億スイスフランを投じて融資を行うとしていたが(2020年3月26日記事参照)、この融資枠にさらに200億フランを追加する。

3月26日に申請の受付を始めてから、4月2日時点で7万6,034件、143億フラン相当の融資契約を郵便貯金(ポストファイナンス)や金融機関において締結済みであり、当初の融資枠をあと数日で超過することが予想されることから、融資枠を合計400億フランとするよう議会に承認を求める。このうち100億フランは、4月7日に開催予定の議会財務部会に緊急案件として上程する。

連邦参事会は、この融資プロセスの濫用防止策も迅速に実行するよう関係各機関に指示した。乱用防止策には、(1)信用保証の取りまとめ中央組織が全ての本コロナ対策融資を審査し、制度対象外のものや重複申請を早急に却下すること、(2)コロナ対策融資について付加価値税(VAT)納税などのデータと突合し、売上高などに不整合がないか追跡すること、などが含まれる。さらに、連邦財務局(FDF)に対して、本コロナ対策融資に関連する政令で定められた罰則および賠償責任に関する規定の強化案を参事会に提出するよう指示した。

今回のつなぎ融資については、50万フランまでは政府の100%保証、50万フランを超え2,000万フランまでは85%を政府が保証する。連邦参事会は、今回の融資は中小企業が難しい経済情勢を乗り越えていくための資金ニーズに答えるものとしている。融資の返済期限は5年間となっている。

(和田恭)

(スイス)

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