自動車産業、3月の生産・輸出減少も業界挙げて医療分野を支援

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年04月16日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は4月3日、3月の自動車国内生産台数(大型トラック・バスを除く)が1万9,164台(前年同月比34.4%減)と発表した(添付資料の図1参照)。新型コロナウイルス感染拡大への対策として外出を禁じる大統領令が3月20日から施行され、3月の工場稼働日数が14日間と限られたことなどが原因とされる。また、第1四半期(1月~3月)の生産台数は6万5,980台(前年同期比14.0%減)となった。

3月の自動車生産をセグメント別でみると、乗用車は6,613台(前年同月比41.1%減)、商用車は1万2,551台(同30.2%減)となった。

輸出台数は、1万3,928台(前年同月比33.9%減)となり(添付資料の図2参照)、第1四半期(1~3月)でも4万734台(前年同期比15.0%減)と落ち込んだ。第1四半期の輸出台数の67.4%にあたる2万7,464台がブラジルに輸出されており、次に多い輸出先は、中米・カリブ地域(パナマ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、キュラソー、ドミニカ共和国、プエルトリコ、グアテマラ、バハマ)で3,425台(8.4%)、コロンビア3,131台(7.7%)、ペルー2,977台(7.3%)と続く。ブラジルへの輸出台数は前年同期比で4,057台減少した一方、コロンビアへの輸出台数は同973台増加した。

ADEFAは3月31日にプレスリリースを配信し、同協会傘下の企業が、新型コロナウイルス対策のために連邦・地方政府、医療専門家等へ支援を提供する計画を発表した。具体的には、緊急医療用の人工呼吸器製造業者をサポートするため工場を開放すること、医薬品製造会社に自動車生産で培ったプロセスエンジニアリングのノウハウを提供すること、人工呼吸器製造業者へ部品を供給すること、医療用品(マスクや防護服など)を寄付すること、病院および野外病院向けに、発電機を多貸与したり医療機器操作のテクニカルサポートを提供すること、病院、人権団体、公的機関およびNGOが医療品の輸送を行う際に使用する車両を提供すること、などを挙げている。さらに自動車業界が協力できるほかの手段についても、引き続き政府当局と協議を行っているという。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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