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中銀、新型コロナウイルス感染拡大でリセッション入りを見込む

(シンガポール)

シンガポール発

2020年04月30日

シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)は4月28日、年2回発行している最新のマクロ経済報告(注)で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、同国のGDP成長率が公式予測の「前年比マイナス4.0%~マイナス1.0%」を下回り、国内史上最悪の水準に落ち込む可能性を指摘した。同国のGDPが1965年の独立以降で、最悪の落ち込み幅を記録した年は、アジア経済危機時の1998年のマイナス2.2%だった。

貿易産業省(MTI)は2月17日に今年通年のGDP成長率を「マイナス0.5%~1.5%」へと下方修正後、3月26日に「マイナス4.0%減~マイナス1.0%」へと再度下方修正したばかり(2020年3月26日記事参照)だった。MASは同報告の中で、「シンガポール経済が今年、リセッション入りする」と述べた。

MASは今年の経済成長率の下方リスクとして、シンガポールを含む国々がさらに厳しい感染防止策に踏み切り、各国経済がさらなる打撃を受けている可能性に言及。また、パンデミック(流行)が収まらず、世界的な最終需要の減退が続けば、経済回復が一段と遅れると指摘。さらに、2003年の新型肺炎(SARS)流行時とは異なり感染防止が困難なため、経済回復がより段階的なものになる可能性があると述べた。同庁は、これらリスクが顕在化した場合には、GDP成長率が3月発表の公式予測をさらに下回ると見込みを示した。

同国で4月28日まで確認された新型コロナウイルスの感染者は、1万4,951人(うち、14人死亡)。政府は新型コロナウイルスの感染阻止のため4月7日から6月1日まで、必須サービスを除く職場閉鎖に踏み切っている(2020年4月22日記事参照)。

新型コロナウイルスに関連した医療関連製品の需要拡大

一方、MASは同報告の中で、新型コロナウイルスの感染拡大で、人工呼吸器、マスクなど医療関連製品の需要が拡大していると指摘した。同庁はシンガポール国内でこうした製品製造に係わる事例として、シンガポールに本社を移した高級家電のダイソンが人工呼吸器の組み立てに取り組んでいる例を挙げた。また、シンガポールのゲーム専門のスタートアップ、レーザー(Razer)や、同国政府系大手のSTエンジニアリングが国内でマスク製造ラインを立ち上げるほか、同国の医療機器会社バイオリディクス(Biolidics)が早期検査キットを開発した。

(注)マクロ経済報告はMASのウェブページPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からダウンロードできる。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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