2019年の湖北、湖南、河南3省のGRP成長率は中国平均を上回る7%台

(中国)

武漢発

2020年04月20日

湖北省、湖南省、河南省の2019年の域内総生産(GRP)(注)の実質成長率は、湖北省が前年比7.5%の4兆5,828億元(約68兆7,420万円、1元=約15円)、湖南省が7.6%の3兆9,752億元、河南省が7.0%の5兆4,259億元となった(添付資料参照)。いずれも成長率が7%台で、全国平均(6.1%)を上回った。

成長率を産業別にみると、3省全てで第二次産業および第三次産業が7%を超え、全国平均を上回った。また、消費動向を示す社会消費品小売総額も、3省全てが10%以上の成長を遂げ、全国平均を約2ポイント上回った。

貿易は全体的に好調を維持

貿易額は、湖北省が前年比13.1%増の3,944億元、湖南省が41.2%増の4,342億元と2桁増を遂げたほか、河南省も3.6%増の5,712億元となり、いずれも中国全体の伸び(3.4%増)を上回った。

それぞれの内訳をみると、湖北省では、ASEANとの貿易額が38.4%増の587億元、EUが10.3%増の562億元、日本が23.9%増の339億元となった一方、米国が0.7%減の465億元だった。品目別では、輸出は液晶ディスプレイやコンピュータ部品、プリント基板などの電気機械製品が7.5%増の1,312億元となり、同省輸出総額の5割以上を占めた。一方で、輸入では、機械設備や計測機器などの電気機械製品が25.5%増の948億元となり、6割以上を占めた。

湖南省では、香港との貿易額が43.6%増の634億元、米国が15.3%増の412億元、EUが55.7%増の614億元、ASEANが62.7%増の619億元と、主要取引先は全て2桁増になった。品目別でみると、輸出では電気機械製品やハイテク技術製品で同省輸出総額の5割以上を占め、特にハイテク技術製品が71.1%増と大幅に増加した。輸入においても、電気機械製品やハイテク技術製品で同省輸入総額の5割以上を占めた。

河南省は、国・地域別では、米国との貿易額が8.1%減の1,271億元、ASEANが20%増の766億元、EUが15.3%増の747億元となった。品目別でみると、輸出では携帯電話、輸入では集積回路が最多だった。

新型コロナウイルスの影響が懸念される2020年

2019年は3省ともに全国平均を上回るペースで経済成長を遂げ、各省政府も「経済は安定的に成長を遂げており、産業の高度化や構造転換が順調に進んでいる」としている。しかし、2020年は新型コロナウイルスの流行が経済に及ぼす影響は大きく、特に都市封鎖措置が講じられた湖北省の製造業・サービス業には大きな影響を及ぼしている。

(注)各省の統計局の発表日は、湖北省が3月23日、湖南省は3月17日、河南省が3月10日。

(李成一)

(中国)

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