南アの在留邦人、新型コロナ対応のチャーター便で帰国を実現

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年04月27日

南アフリカ日本商工会議所(CCIJ、ジェトロ・ヨハネスブルク事務所が事務局)および南ア日本人会は4月24日、南ア在留邦人向けのエチオピア航空によるチャーター便の運航を実施した。チャーター便はケープタウン、ヨハネスブルク、エチオピア・アディスアベバ(給油)を経由したのち、翌25日夜に成田空港に到着。156人の在留邦人が帰着した。本チャーター便の手配は、在南ア日本大使館および在ケープタウン駐在官事務所の全面的な協力のもとで行われた。なお、日本の外務省によると南ア国内の在留邦人数は約1,400人(2018年10月時点)。

国内での新型コロナ感染拡大を受け(4月26日時点で感染者数累計4,546人、死者87人)、3月27日から全土に厳しい外出規制を課す「ナショナル・ロックダウン」が実施されている南アでは、全ての国際商業旅客便の運航が禁止され、政府は南ア国内にとどまっている外国人は自国がチャーター便を手配する場合に限り出国を認めると発表していた(2020年4月3日記事参照)。政府は4月23日、5月1日からのロックダウンの段階的緩和の実施を発表(2020年4月27日記事参照)したものの、依然として国際線運航再開の目途は立たず、また現地での医療体制や治安の悪化の懸念もあることから、CCIJ・日本人会が在留邦人向けにチャーター便搭乗の希望を募り、今回の運航が実現した。

ロックダウンにより、国内では食品や医療品など生活必需品の購入・提供以外の外出が禁じられる厳しい移動制限が課せられていることから、ヨハネスブルクでは日本大使館手配の大型車両が各邦人の家庭を訪問し、ヨハネスブルク日本人学校に全員が集合。そこから南ア警察の車両による先導のもと、ORタンボ国際空港まで移動する措置が取られた。

南ア国内ではロックダウン期間中に外出規制に違反する市民の逮捕や、学校への侵入窃盗などの騒動も度々報じられているが、食品などの生活必需品の供給は安定的に行われている。今のところは医療崩壊にも至っておらず、目立った社会的混乱は見られていない。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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