INDECOPI、中国長江電力によるペルー最大配電会社の買収を条件付きで承認

(ペルー、中国)

リマ発

2020年04月15日

公正競争・知的財産保護庁(INDECOPI)の自由競争保護委員会(CLC)は3月27日、2019年9月にペルー最大の配電会社ルス・デル・スル(Luz del Sur)の最大株主となった中国長江電力の買収(2019年10月10日記事参照)を最終的に条件付きで認めることを決定した。条件とは、ルス・デル・スルが電力を調達する際の入札方法に関するもの。一般競争入札に加え同社主導の指名競争入札も認めるが、その場合はINDECOPIに報告した上で、透明性が担保されたかたちで入札を行わなければならないというものだ。

ペルーでは、1997年施行の法律26876号「電気産業における独占禁止と反寡占に関する法律」により電気事業(発電・配電)における垂直統合型(サプライヤーの買収により市場シェアが5%以上となるもの)、または水平統合型(競合先の買収により市場シェアが15%以上となるもの)の買収の場合、INDECOPIへの申請が必要とされており、それに基づき中国長江電力は、2019年10月より同庁のCLCに許可申請を行っていた。中国長江電力はルス・デル・スルの買収と共に、同社の傘下にある発電会社「インランド・エナジー(INLAND ENERGY)」も手中に収める予定で、さらに数年後には新たな発電所の稼働も予定しているため、INDECOPIが提示した条件の背景には、中国長江電力が自社グループ内で電力ビジネスを独占する懸念があるため。

(設楽隆裕)

(ペルー、中国)

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