中国長江電力、ペルー大手配電会社の株式を35億9,000万ドルで取得

(ペルー、米国、中国)

リマ発

2019年10月10日

米国のセンプラ・エナジー(SE)は9月30日、自社が保有するペルー大手配電会社、ルス・デル・スル(Luz del Sur)の持ち株を、中国の中国長江電力に35億9,000万ドルで売却することで合意したと発表した。売却合意は、9月27日に在オランダのセンプラ・エナジー・インターナショナル・ホールディングと、在香港の中国長江電力インターナショナル間で結ばれた。米国証券取引委員会(SEC)によると、今回の売却は最終的にペルーの監督当局である公正競争・知的財産保護庁(INDECOPI)のほか、ペルー税務監督庁(SUNAT)や中国長江電力の株主の事前承認が必要だとしており、株式の売却は2020年の第1四半期に完了する予定とみられている。

ルス・デル・スルは、主にペルーの首都リマ市の南東部(3,900平方キロ)を中心とした、人口490万人の地域への配電を担っている。自社株は、SEが83.6%を同社グループの3社を介して保有しており、その他の16.4%はペルー国内外の投資家が保有している。投資分析会社のカルパによれば、ルス・デル・スルの2019年の売上高は33億4,000万ソル(約1,086億8,000万円、1ソル=約32円)の見込みで、6月末時点での売上高は既に前年同期比5.03%増の15億7,360万ソルに達しているという。

中国長江電力は、今回の株式取得により、ルス・デル・スルの子会社で、クスコ県のサンタ・テレサ水力発電所を操業しているインランド・エナジーSACも傘下に入れることになる。

(設楽隆裕)

(ペルー、米国、中国)

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