アルジェリアのスタートアップが新型コロナウイルス感染拡大防止に積極的に貢献

(アルジェリア)

パリ発

2020年04月06日

アルジェリア政府は4月2日、新型コロナウイルス感染者が新たに139人発生し、感染者数は986人、死者は83人になったと発表した。アフリカ大陸の中で南アフリカ共和国に次いで感染者数が多い。国内の感染拡大を受けテブン大統領は4月1日、3月18日に導入した教育機関の閉鎖など、各種禁止・閉鎖措置(2020年3月24日記事参照)を4月19日まで延長した。また、一部(午後7時~翌日午前7時)もしくは完全外出禁止令の対象県に、ベジャイア、アイン・デフラ、モスタガネム、ボルジ・ブ・アレリジを追加し、対象県数を全体の約25%に相当する15県に拡大すると発表した〔「アルジェリア通信(APS)」4月1日、2日〕。

アルジェリアが新型コロナウイルスの打撃を受けている中で、現地スタートアップが感染拡大防止の取り組みに積極的に貢献している。ヤシーヌ・ウアリッド・スタートアップ特命担当相は、保健・人口・医療改革省が、アルジェに所在する民間インキュベーターIncubMeとの協力で新型コロナウイルス感染拡大防止に役立つ公式アプリを開発したと3月21日に発表した〔「アルジェリア通信(APS)」3月21日〕。

Google Store(iOSバージョンも間もなく展開予定)からアプリをインストールし、利用者が健康状態に関する質問に回答すると、新型コロナウイルス感染が疑われる症状があると診断された場合は、地元の健康当局に通知を送信可能だ。感染の疑いのある人が直接医療施設に出向くことを避けることができる。また、周りに新型コロナウイルスの感染症状が出ている人がいれば、アプリが通知する。健康当局は国内の感染状況をより正確に把握できることにより、国レベルにおいても対策を適切に検討できる。

政府系国家テクノパーク開発管理局(ANPT)が管理するテクノパーク内のスタートアップ2社も同様に感染拡大との戦いに貢献するソリューションを開発した。テクグラフはアプリ「Corovid Rescue」を開発し、感染した国民を対象にQRコードを割り当て、感染者のトレーサビリティと位置情報のデータベースを保健・人口・医療改革省に提供する。ゴールデンコープ・アルジェリアはアプリの利用者に感染状況と予防のための健康上のアドバイスを提供している(「エルワタン」紙2020年3月18日)。

国の指示の下で動いていた以前の企業活動とは異なり、官民連携により、スタートアップも積極的に社会が直面している課題解決に取り組んでいる。有事においてさまざまな場面でタイムリーなソリューションを展開しているこれらの動きが国内外で注目を浴びている。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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