UAEが居住者に海外旅行自粛を勧告、空港でのウイルス検査も実施

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年03月11日

アラブ首長国連邦(UAE)の保健・予防省は3月5日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に関する影響を考慮し、国民と居住者に対して海外旅行を控えるように通達。併せて、ドバイ国際空港を含む国内の主要空港においてスクリーニング結果を実施すると発表した。

UAE現地紙の「ガルフ・ニュース」や「ザ・ナショナル」などが報じた、現時点での空港におけるスクリーニング検査の要領は次のとおり。

  • 経由便での利用を含む、全ての旅行者は赤外線検査機を通過することによる体温測定が行われる。
  • 世界保健機関(WHO)の発表により感染のリスクが高いと考えられる国からの渡航者や、赤外線検査で症状が認められた渡航者には、鼻咽頭スワブや問診を含む個別検査を実施する。検査通過のために2~3時間の追加時間が想定される。
  • 検査結果の通知があるまで、自宅・ホテルでの隔離措置となる場合がある。
  • 発熱などの症状が認められる場合は病院に搬送される場合があるほか、検査結果や渡航歴により、14日間の自宅待機措置や病院での隔離措置が下る場合がある。

航空各社は、高まる不透明感への対策として、さまざまな措置を発表している。ドバイのエミレーツ航空は3月7日、同日から31日までに予約されたフライトについて、向こう11カ月の間、手数料無料で旅程変更を受け付けることを発表。アブダビのエティハド航空は、各国の防疫措置などで影響を受けるフライトについては、払い戻しや旅程変更の対象となるほか、UAEの渡航自粛措置のためフライト変更を希望する場合は、4月15日の出発便までを対象に振り替え可能とした。格安キャリアのフライドバイは、個別事情に応じて判断するとしている。

同省は、3月6日に新たに15人の感染を発表しており、同日時点で感染者総数は45人となった。既に、一部フライトの制限や、学校閉鎖、イベント中止などの措置を行っている(2020年3月5日記事参照)。UAEに進出する日系企業の間でも、駐在員やスタッフの在宅勤務実施や、出張の見合わせを行う例も確認されている。

(田辺直紀)

(アラブ首長国連邦)

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