サンフランシスコ市、市所有施設で不要不急のイベント禁止を命じる

(米国)

サンフランシスコ発

2020年03月12日

3月7日、サンフランシスコ市・郡の公衆衛生局は、市所有施設での不要不急のイベントの禁止を命じた。同命令は発令日の3月7日から2週間(3月20日まで)有効。同令に先立ち、サンフランシスコ市は2月25日に緊急事態宣言を発しており、これを受け既に多くのイベントが中止・延期となっている(2020年2月28日記事参照)。

イベント禁止の対象となる施設は、市庁舎、大規模展示会の会場となるモスコーン・センター(展示場)(注)、ビル・グラム公会堂(ライブ施設)、ニュー・コンサバトリー・シアター(劇場)など全部で市内の9施設。公衆衛生局のプレスリリースによると、「必須でないグループイベント(Non-Essential Group Event)」の開催を禁じており、これは50人以上が参加する社会的、文化的、娯楽イベントのほか、参加者間のスペースを少なくとも4フィート(約1.2メートル)以上確保できない集会を指す。他方で、同命令は市主導の公開会議や委員会などの政府関係のイベント、公的事業のための市施設の通常の運用は除外される。

また、サンフランシスコ市の公衆衛生当局は3月6日、新型コロナウイルス感染拡大を減らすための積極的推奨措置(Aggressive Recommendations)を発表した。主な概要は以下の通り。

  1. 体の弱い人々は外出を控えてほしい。60歳以上の高齢者や特定の健康状態にある人々、例えば、心臓病、肺疾患、糖尿病、腎臓病を患っている、免疫システムが弱い人など。
  2. 仕事や職場における接触を最小限にしてほしい。不要不急の従業員の出張の延期、大人数での会議を最小限または中止にすること、従業員が病気のときには自宅待機と病気休暇の柔軟な利用を促すこと、医師による病気に関する所見の提出を従業員に求めないことなど。
  3. 不要不急のイベントを中止してほしい。コンサートやスポーツイベント、コンベンションなど、多数の人が集まる大規模のイベントは中止または延期を推奨する。病気になった場合、いかなるイベントや集会にも参加しないことなど。
  4. 学校においては安全第一を推奨。学校で新型コロナウイルスの感染ケースが確認されたら、公衆衛生局は、学校や同地区に休校を含めて最善の措置を取るように働きかけることなど。

サンフランシスコ市の発表によると、3月7日時点で、サンフランシスコ市の住民の新型コロナウイルスの感染者は8人確認されている。

(注)同会場で、ディスラプト・サンフランシスコ(スタートアップの企業が集まる展示会)やウィンター・ファンシー・フードショー(食品に関する展示会)、フォトニクス・ウェスト(光学技術やレーザー関係のイベント)など日本企業も多数参加するイベントが開かれている。

(石橋裕貴)

(米国)

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