韓国とのFTA妥結は4月以降との見通し示す、貿易産業省長官

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月17日

フィリピン貿易産業省(DTI)のラモン・ロペス長官は、韓国との自由貿易協定(FTA)に関する交渉妥結は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領のフィリピン来訪と合わせて、4月以降になるとの見込みを示した。2月24日付で、「ビジネスミラー」ほか地元各紙が報じた。ただし、文大統領のフィリピン来訪の時期は決定していない。

フィリピン政府は、韓国とのFTA発効により、バナナをはじめフィリピンの農産物の韓国への輸出拡大を実現したい意向だ。特に、韓国から30%の関税を課されているフィリピン産バナナの関税をなくすことにより、ベトナムや中米諸国といった競争相手国に対する価格面での競争力を確保したい意向だ。一方、韓国政府は、現在5%の関税が課されている自動車の関税撤廃をフィリピン政府に求めている。

フィリピン統計庁(PSA)によると、2019年のフィリピンの対韓国輸出額は前年比23.0%増の32億869万ドルで国別6位、フィリピンの対韓国輸入額は27.2%減の82億2,931万ドルで国別3位だ。

韓国産業通商資源部のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、フィリピンと韓国は2019年4月にFTA交渉推進に合意して以降、6月に第1回となるFTA公式交渉をソウルで開催し、その後、第2回(7月、マニラ)、第3回(8月、釜山)、第4回(9月、セブ)、第5回(2020年1月、マニラ)と交渉を進めてきた。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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