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欧州委、EUへの不要不急の渡航制限をG7メンバーに提案

(EU)

ブリュッセル発

2020年03月17日

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は3月16日、G7首脳にEU首脳を加えて行われたテレビ会議終了後の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、EUへの不要不急の渡航を暫定的に当初として30日間控える措置を導入する提案を、G7のパートナー国に行ったことを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を抑止することが目的だが、不要不急の渡航者への対応がEU域内の医療システムに潜在的な負担を及ぼすことのないように配慮すべきとも指摘した。ただし、EU市民の本国帰還や、医師や看護師などの医療従事者、新型コロナウイルス問題解決に取り組む科学者、および越境通勤する人々などについては制限の対象外としている。

欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長によると、17日にEU加盟27カ国とテレビ会議を開催し、欧州委の提案について議論が行われる予定だ。

域外・域内の国境管理の在り方・優先事項などの方針を示す

また、欧州委員会は同日、欧州での急速な新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、EU加盟国の保健相および内務相とのテレビ会議を開催したとして、EU加盟国に提示した国境管理措置に関するガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。欧州委としてはEU市民の健康を守りつつも、渡航の必要のある人々(不要不急でない場合)に適切な処遇を保障し、生活必需品などの物資やサービスの確保を図る狙いがあるとしている。

ガイドラインの中で、欧州委は次の提案を行った。

EU加盟国は、EU域外国からの非EU市民の流入に関して、感染症予防または感染リスクが一部でも認められ公衆衛生上の脅威と考えられる場合に入国を拒否することができる。またより効果的と考えられる場合には、隔離などの措置を取ることもできる。ただし入国拒否に関するいかなる決定も比例的および被差別的に行われなければならない。

EU域内の国境管理について、EU加盟国が公衆衛生などに関わる緊急な事情の下で、他の加盟国からの入国者に対する措置を再導入することは認めたが、ウイルス感染の拡大を抑えるため、たとえば感染拡大に繋がる大規模な行列などが生じないように配慮すべきと提言。また健康診断も国境の片側でのみで実施(二重実施は回避)するように加盟国間で調整すべきとしている。

また、全ての国境管理は人々の健康に十分配慮した手法で行われるべきと指摘。加盟国は自国民と居住者に配慮しつつ、帰国しようとする他のEU市民や居住者に対して、その渡航の便宜を図るべきとした。ただし、自国民に対して同じ要件を課す場合に限り、所定期間の隔離要求などの措置を講じることはできるとしている。

この他、欧州委は、こうした状況においても、域内の越境移動について(加盟国が)便宜を図るべき対象として「医療従事者」「食品部門」「その他生活必需サービス(乳幼児・高齢者ケア、公益事業者など)」を挙げた。

一方、欧州委は経済活動の継続性の確保に重要な輸送について、特に食品や医薬品、医療機器などの必需品のサプライチェーン確保の観点から、当該貨物の輸送についての優先レーン(グリーン・レーン)導入などを加盟国に求めた。また、これらの貨物輸送を支えるトラック、列車の運転手、パイロット、乗務員などの安全な移動も保証すべきとしている。

なお欧州委は、欧州食品安全機関(EFSA)が、食品について、新型コロナウイルスの感染源あるいは経路とする確証はないとしていることなどを示し、EU法令に準拠して単一市場を流通している商品に対して、(加盟国が個別に)新たな認証基準を導入するべきではないとも付言した。

(前田篤穂)

(EU)

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