第4四半期GDP成長率は前年同期比2.6%、2016年以降で最大の伸び

(ナイジェリア)

ラゴス発

2020年03月17日

ナイジェリア国家統計局は、2019年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(前年同期比)を2.6%と発表(2月24日)した。前期の2.3%を0.3ポイント上回り、四半期ごとでは2016年以降で最大の成長率を記録した。また、2019年通年の成長率は2.3%だった(添付資料参照)。

石油をはじめとする鉱業部門の成長率は、好調だった前期(6.2%)からほぼ横ばいの6.1%だった。原油生産量は、前期の日量204万バレルから200万バレル(コンデンセートを除く)にやや減少した。

情報通信部門は10.2%で、2018年第2四半期(4~6月)から連続して10%前後の高い成長率を保っている。ブロードバンド普及などが背景にあるとみられる。

金融・保険部門は、前期の1.1%から20.2%へと大きく伸びた。ナイジェリア中央銀行(CBN)が市中銀行に対し、貸し渋りを緩和するため、預貸率をこれまでの55%から2019年末までに65%に引き上げることを義務付けた結果、貸出が伸びたことが要因とみられる。金融・保険部門のGDP全体への寄与度は0.5%ポイント(寄与率は22.1%)だった。同部門の前期の寄与度はわずか0.03%ポイントだったことから、もし金融・保険部門がこれほど大幅に伸びていなければ、産業全体の成長率は2.0%程度と、前期(2.3%)より減速していたことになる。CBNは、特に農業セクターへの融資を活性化することで、雇用創出と食料自給率の向上を図りたい考えだ。

2020年は、付加価値税(VAT)の増税(2020年2月12日記事参照)による消費減退や、新型コロナウイルスの世界的流行による原油の需要減少で、主要輸出産品である原油の輸出が減少している影響もあり、このまま成長を維持できるか注目される。

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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