豪企業の約半数は過去2週間に新型コロナウイルスの影響あり

(オーストラリア)

シドニー発

2020年03月27日

オーストラリア統計局(ABS)は3月26日、3月中旬に実施した企業アンケート調査の結果を発表し、約半数の企業が新型コロナウイルスの感染拡大によってすでにマイナスの影響を受けていると回答したことが分かった。

ABSは、3月16日から3月23日の期間、オーストラリアで事業を行う3,000社を対象にアンケート調査を実施し、1,217社から回答を得た。アンケートでは、過去2週間に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けたか、また今後数カ月の間に影響が予想されるか、また影響を受ける内容について調査を行った。

その結果、回答した企業の49%が過去2週間にマイナスの影響を受けており、さらに86%の企業が今後数カ月の間にマイナスの影響を予想していることが判明した。業種別にみると、宿泊・飲食サービス業への影響が最も大きく、78%が過去2週間でマイナスの影響を受けており、96%が今後数カ月でマイナスの影響を受ける、と回答した。専門・科学技術サービス業(21%)、電気・ガス・水道業(34%)、鉱業(37%)では、過去2週間にマイナスの影響を受けた割合が少なかったが、今後数カ月間にマイナスの影響を予測する企業の割合はいずれも6割を超えた。

影響を受ける内容としては、「現地での需要の減少」が最も多く、過去2週間で82%の企業が、今後数カ月で81%の企業が影響を受けると回答した。また、36%の企業が過去2週間に「人手不足」を経験しており、今後数カ月間では59%の企業が人手不足に陥ると予測していることが分かった。

なお、オーストラリア政府によるレストランなどの営業停止措置(2020年3月26日記事参照)は、3月22日夜に発表され、3月23日正午から実施されている。今回のアンケート調査実施期間が3月23日までだったことを踏まえると、調査結果以上に影響が拡大することも予想される。

(住裕美)

(オーストラリア)

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