初の新型コロナウイルス感染者を確認、中国とイランから原則入国禁止に
(ニュージーランド)
オークランド発
2020年03月05日
ニュージーランド保健省は2月28日、国内で初めて新型コロナウイルスの感染者を確認したと発表した。感染が確認されたのは60代のニュージーランド永住者で、2月26日にイラン発のインドネシア・バリ経由でオークランドに着いた航空機を利用していた。現在はオークランド市内の病院の減圧施設で隔離されている。感染者の家族や同じ便の近くの席にいた18人は当局管理の下で、14日間の自己隔離が求められている。
保健省は世界規模の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、「感染確認基準」(Case Definition of COVID-19 infection)を設け、懸念国・地域を指定して渡航歴がある者の取るべき対応を発表している(添付資料参照)。最も厳しい渡航制限がかけられている国は中国とイランで、過去14日以内に両国への渡航歴のある外国人は原則としてニュージーランド入国を禁止している。トランジットでの立ち寄りもこの規制の対象となることに留意が必要だ。保健省は規制を48時間ごとに見直すとしている一方で、クラーク保健相は、現在の渡航制限は少なくとも3月10日午後11時59分(ニュージーランド時間)までするとしている。
3月2日現在、春節(旧正月)で帰国した中国人留学生がニュージーランドに再入国できず、大学など教育現場でも深刻な影響が出ている。北京にあるニュージーランド・ビザ申請事務所が閉鎖されており、移民局はビザ認可に通常よりも時間を要するとしている。
(奥貴史)
(ニュージーランド)
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