ドイツ自動車部品大手、完成車メーカー生産停止を受け生産を縮減

(ドイツ)

ミュンヘン発

2020年03月26日

新型コロナウイルス感染拡大による需要減で生産を停止した完成車メーカーの動きを受け(2020年3月19日記事参照)、自動車部品メーカーにも生産の縮減、停止の動きが広がっている。必要な部品の供給を継続しつつ、従業員に対して、労働時間を短縮する措置を導入し、需要回復に合わせ、生産再開に柔軟に対応する。

マーレは3月20日、すべての在欧州の生産拠点で3月20日に、すべての欧州工場を3月25日までに停止すると発表した。期間は未定。開発部門や総務などの間接部門についても、必要最低限の業務に縮小する。同社は労働時間短縮の導入などの措置について、従業員側と協議を進めていくとしている。一方で、アフターマーケットの交換部品センターは、交換部品の供給を確保するため、通常通りの営業とする。

ボッシュも3月20日、3月25日からドイツ国内の工場でのビジネス活動を縮小することを発表した。一部の事業所では段階的に3月23日から開始している。対象は約35の自動車部門の拠点の活動など。第一段階として、従業員のこれまでの残業時間の休暇への振り替えと休暇取得を進める。第二段階として、4月5日までに労働時間の短縮を導入する。ただし、一部作業については、中国市場が回復しつつあることを見据え、継続するとした。

ZFは3月19日、ドイツ国内工場で生産を抑制し、生産部門および管理部門の一部の活動を停止、労働時間短縮を導入することを従業員代表と合意したと発表した。短期労働は6月までとするが、新型コロナウイルス感染拡大が抑制された後の完成車メーカーの需要増に柔軟に対応できる形とする。また、完成車メーカーが供給を必要とする部品などは、従業員の健康に配慮した上で、引き続き生産を継続する。

シェフラーも3月19日、欧州の工場における生産調整を発表した。どの工場がどの程度生産を減らすかは、顧客に対する必要な部品供給と従業員の健康を最優先に決定するとした。労働時間短縮の導入などについても従業員代表・経営協議会と合意したとしている。

(高塚一)

(ドイツ)

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