スロベニアで初の新型コロナウイルス感染者確認

(スロベニア)

ウィーン発

2020年03月10日

スロベニアのアレシュ・シャベデル保健相は3月4日、同国で初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたと公表した。その後も感染例の確認が相次ぎ、5日午後11時(現地時間)現在、6人の感染者が発生している。

初の感染者はモロッコからイタリア経由でスロベニア入りした。症状が出て、掛かりつけの医療機関で新型コロナウイルス感染が疑われたため、紹介されて行った首都リュブリャナの医科大の感染症クリニックで陽性反応が出たという。国立公衆衛生研究所(NIJZ)は感染ルートを調べているが、モロッコで感染したのではないかとみている。スロベニアではこれまでに433件の検査が行われた。

欧州で徐々に大型イベントの延期が発表される中、リュブリャナでは住宅関連総合見本市「HOME」が予定どおり3月4日から開催されている。「スロベニア・タイムズ」紙(3月4日)によると、主催者は「開催を批判する声もあったが、この見本市は歴史ある大規模なもので、2021年は60周年を迎えるにこともあり、開催を決めた」としている。見本市には500社が出展、例年5万5,000人以上が訪れている。見本市のウェブサイトでは「会場全体に消毒する場所を設置した」とし、新型コロナウイルス対策を行っていることを強調している。

中・東欧の物流の玄関として発展を続ける同国のコペル港の担当者にジェトロが状況を聴取したところ、「港は通常どおりオペレーションを行っている。政府のガイドラインに従い、来港する船舶の船員に症状があれば、医師を派遣して診断を受けさせ、安全が確認されるまで入港させない態勢が整っている。港は安全だ」と述べた。

コペル港は地中海で2番目に大きな自動車ターミナルを有する。面積は280ヘクタールあり、コンテナや自動車およびRO-RO船、バルク貨物、液体貨物、木材、家畜、クルーズ船を含む12種類の貨物に対応しているターミナル。26のバース、延長3.4キロの埠頭(ふとう)、延長35キロの鉄道を有する港だ(2017年10月31日記事参照)。

(田中由美子)

(スロベニア)

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