2019年の実質GDP成長率は0.3%にとどまるも、非石油セクターが大きく成長

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年03月06日

サウジアラビア総合統計庁は3月1日、2019年の実質GDP成長率が0.3%だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。非石油セクターが2015年以降最大の成長率となる3.3%を記録した一方、石油セクターはマイナス3.6%と減速した。2018年の実質GDP成長率2.4%と比較すると、低成長にとどまった。

産業別にみると、9分野でプラス成長で、金融・保険・ビジネスサービス(8.0%)、社会・個人サービス(6.9%)、卸売り・小売り・外食・ホテル(6.3%)が大きく伸びたほか、物流・倉庫・通信(5.6%)、その他鉱業(4.8%)、建設(4.6%)、不動産(3.4%)、政府サービス(1.5%)、農業・林業・漁業(1.3%)となった。

一方、4分野はマイナス成長となり、電気・ガス・水(マイナス4.0%)、石油・天然ガス(マイナス3.7%)、石油精製(マイナス3.2%)、石油精製を除く製造業(マイナス0.9%)となった。2019年9月に起きた国内の製油施設へのテロ攻撃による減産や、主要輸出先国における石油需要の低迷が影響したものとみられる。

地元紙「アラブニュース」(3月2日)は、2020年の石油市場の見通しが、世界的に感染が広がる新型コロナウイルスの影響もあり、不透明な中、サウジアラビアでガス生産が加速する可能性について言及している。最近、投資計画が発表されたアル・ジャフラ地域(Al-Jafurah field)には、湿性ガスの埋蔵量が200兆立方フィートあるとされており、将来的にはGDPへの貢献が年間200億ドル(2019年実質GDP比では2.8%)となる可能性があると報じている。

(佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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