タミル・ナドゥ州でも初の感染者を確認
(インド)
チェンナイ発
2020年03月12日
インド保健・家庭福祉省は3月7日、南部タミル・ナドゥ州で初めての新型コロナウイルスの感染者1名を確認したと発表した。感染が確認されたのは、オマーンに渡航歴がある者。現在、チェンナイ市内の公立病院に隔離入院中であるが、容態は安定していると報じられている。保健・家庭福祉省によると、インド国内では、3月9日時点で44名(回復者も含む)の感染が確認されている。
在チェンナイ日本総領事館によると、今回感染が確認されたのはオマーンで就労していた45歳の男性。2月末にインドへ帰国した際は症状が出ていなかったものの、その後発熱や咳などが出たため、医療機関で検査を行ったところ、陽性反応が出たという。
発給済みビザの無効化措置などにより企業活動に影響も
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とそれに伴うインド政府の水際での対応強化に伴い、インドでは日本人の渡航などに大きな影響が出ている。
内務省入国管理局は、インドに未入国の日本人などに対し、3月3日以前に発給されたビザを無効にすることを発表(2020年3月4日記事参照)した。これにより、出国中の駐在員がインドに帰国できなくなるケースが出たり、インドで生活している日本人が予定していた出国をとりやめるといったことが起きている。
また、ANA(全日本空輸)は3月6日、国際線運航便の一時運休・減便を発表した。これには、インド便も含まれる。具体的には、3月17日から28日までの成田~デリー線減便(週7から3往復に減便)、3月16日から28日までの成田~ムンバイ線運休に加え、3月18日から28日までの成田~チェンナイ線が運休となる。これにより、インド在住の日本人の出国時期の判断に影響が出るとみられる。
他の航空会社も各国の感染症対策の強化や需要減退などにより、国際線運航便の運休・減便を行っている。チェンナイから日本への乗継便を運航する航空会社のうち、タイ国際航空がチェンナイ~バンコク線およびバンコクからの日本路線減便、キャセイパシフィック航空が日本路線の運休、シンガポール航空が日本路線の減便をすでに発表している。
(坂根良平)
(インド)
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