遼寧省で操業再開進む、大連市では飲食店の営業再開に向けた検討も

(中国)

大連発

2020年03月16日

遼寧省における新型コロナウイルスの累計感染者数は125人(3月11日24時時点)で、うち治療中の患者数は13人となっている。3月3日以降、同省における新規感染者は出ておらず、情勢は落ち着きを見せている。一方で、日本や韓国など、海外からの感染者の流入を防ぐ目的で入国者への管理を厳格化する措置が取られており、依然として同措置は解除されていない(2020年2月27日記事参照)。

企業活動は徐々に復旧に向かいつつある。同省における1日当たりの新規設立登記企業数は約1,700社で、新型コロナウイルス流行前の水準に戻りつつある。2月21日から3月9日の期間に新規に設立登記された企業は5,465社、個体工商戸(個人事業者)は1万4,637社、農民専業合作社(農業協同組合)は149社に達した。とりわけ、防疫関連製品の生産・販売業の新設が増えている。

中国の春節(旧正月)以降滞っていた同省の宅配業の操業再開率は、3月10日時点で90%を超え、1日当たりの宅配物の処理能力は600万件を超えている(遼寧省郵政管理局)。また同省の畜産業の生産能力もほぼ新型コロナウイルス流行前の水準に戻っている(遼寧省農業農村庁)。

大連市における交通・運輸業の操業再開数は1,641社に上り、貨物輸送業の操業再開率は82%に達した(遼寧日報3月10日)。同市では2月23日から域内の全ての高速道路と一般車道における通行規制を解除し、貨物輸送車の正常な通行を可能にした。しかし、湖北省など感染リスクが高いとされる一部の地域との物流は依然滞っており、生産に影響が出ている同市内の日系企業も少なくない。

また、市民生活と密接に関わる飲食業については、上海市など一部の地域では営業を再開する店舗が増えているが、大連市では現在テイクアウトのみ許可されており、店内での飲食は禁止されている。大連市政府関係者によると、既に飲食店の営業再開についても検討が始まっているという。

(呉冬梅)

(中国)

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