中国各地で日本・韓国などからの入国管理を厳格化、東北では大連など3地域

(中国)

大連発

2020年02月27日

日本や韓国など、外国における新型コロナウイルスの感染者数の拡大を受け、中国各地では入国管理を厳格化する動きが広まっている。東北3省では、日韓との人的交流が多い地域を中心に、2月24日から関連の措置が相次いで発表されている。

朝鮮族が多く、韓国との交流が深い吉林省延辺朝鮮族自治州政府は2月24日、韓国からの直行便で入国する渡航者に対し、同州政府が手配する施設で統一的に14日間隔離させる措置を行うことを発表した。

遼寧省瀋陽市では、2月25日から海外の新型コロナウイルス感染者の入国を厳格に防止するとした。入国時に発熱の症状のある場合には、救急車で病院に搬送され、検査を受診する必要がある。また、韓国から帰国した中国籍の対象者は全員、外国籍の対象者は本人の意思を尊重した上で、集中隔離施設で新型コロナウイルスの検査を実施し、異常がなければ入国後14日間が経過するまで自宅で経過観察を行うとした。経過観察時に自宅での隔離が難しい場合には、政府が手配する施設で隔離させるとした。

東北3省のうち、日系企業や在留邦人数が最も多い遼寧省大連市では2月26日、海外からの新型コロナウイルス感染者の入国を、さらに厳格に管理する通達を発表した。要点は次の4点。

  1. 同市に固定の住所および勤務先がある場合は、同住所で14日間隔離する。同居する家族も同様に隔離される。自宅での隔離が難しい場合は、政府が手配する施設で隔離する。
  2. 短期滞在の場合は、入国・帰国時に政府が手配する車両を利用しなければならない。事前に予約していたホテルまたは政府が指定するホテルに泊まり、身体状況と毎日のスケジュールを政府に報告しなければならない。滞在期間中、本人ならびにその接触者は厳格な感染防止措置を取らなければならない。
  3. 大連経由で他地域に向かう場合は、政府が手配する車両で駅や港に向かわなければならない。
  4. 入国時に発熱や咳等がある場合は、救急車で病院に搬送され、検査を受診する必要がある。

(呉冬梅)

(中国)

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